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『ルールズ・オブ・プレイ ゲームデザインの基礎(下)』 要約その1「遊びを定義する」
『ルールズ・オブ・プレイ ゲームデザインの基礎(下)』
著者: ケイティ・サレン、エリック・ジマーマン
訳: 山本貴光
 
今回の要約範囲: ユニット3 第22章 遊びを定義する(P7-31)


この章では、今まで扱ってきた​「遊び」について、厳密な定義を行います。

​本書でこれまで扱ってきた遊びの分類

​​.押璽爐陵靴
 「形が整えられたやりとりで、プレイヤーがゲームのルールに従って、遊びを通じてそのシステムを経験するときに生じるものだ。」(P11)
​⇒卦些萋
​ 『人が「遊び(playing)」という語で思い浮かべるようなゲーム以外の行動も含んだ遊びの活動だ。』(P12)
​ これまで「ゆるい遊び」と呼んできたようなものとゲームを含む。
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​ 「よくある遊びの活動でだけでなく、気持ちの上で戯れている状態にあるという観念」(P12)
 明確に「遊び」とは呼ばれずとも、軽くふざけたりじゃれ合ったりするような状態。ゲームや遊戯活動も含む。

 
以上が今まで扱ってきた遊びの分類ですが、「遊び」は「ハンドルの遊び」など日常的に様々な意味で使われ、何かしらの楽しむ活動としての遊びだけに使われる言葉ではありません。
そこで、「遊び」の一般的な意味での(=様々な意味の使われ方に当てはまる)定義が試みられます。

「遊びとは、比較的固定した構造の中での自由な動きである。」(P12)
 
これは、「ハンドルの遊び」などの使われ方にも、楽しむ活動としての遊びにもしっかり当てはまる定義です。
この定義を採用した上で、再度遊びの分類を振り返ります。

​.押璽爐陵靴
​「プレイヤーたちが、固定したゲームのルールを運用することで、はじめて遊びが生じる。」(P13)
​ルールという固定された構造を受け入れることで、構造の中での自由な動きが可能となっている。

​⇒卦些萋
​ここではボールを壁に投げて遊ぶ例が紹介されている。
​「ボール遊びを経験する場合、プレイヤーは重力やボールの物質としての性質、建築空間、プレイヤーがボールを投げたり取ったりする運動能力といったもろもろの構造と遊んでいるのである。ボールで遊ぶことは、そうした構造の全体で遊ぶということであり、その限界や境界を試し、その周囲や中での動き方を発見することになるのである。」(P14)
これは言うまでもなくゆるい遊びの例だが、ゆるい遊びにも比較的固定された構造があり、この場合は壁にボールをぶつけて受け取るという一連の構造がある。
​遊戯活動もまた、構造を受け入れることで、その中での自由な動きが可能になっている。

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​「例えば、くだけた俗語を使うことは、文法という比較的固定したルール構造の中で、言葉と言い回しの自由な動きを見出すことだ。」(P14)

すなわち、「どの場合も、遊びは、固定した構造のおかげで存在している。だが、どうやらその対立する形でも存在している。」(P14)

​固定した構造のおかげで存在している、という一文は感覚的にわかりやすいですね。
しかし、対立する形とは一体どういうことでしょうか。

「壁にボールをはねさせることは、建築の実用上の用途とは食い違っている。それと同時に、その行為は、建築の形式的な構造によって可能となるルールに従っているのであり、そうしたルールから、ある種のやりとりが出てくるのである。(中略)ルールがあるからこそ、あるゲームで遊ぶことができる。だが、そのことと矛盾するようだけれど、ゲームの遊びは、さまざまな面でルールの対極にあるものだ。あらゆる形で、遊びは〔ルールに〕対立し、遊びは抵抗する。」(P14)

つまり、遊びは何かしらの固定した構造を持っているが、遊ぶという行為はそういった固定した構造を受け入れつつ、制服しようとするということでしょう。
ゲームであれば、プレイヤーはルールを受け入れますが、ルールを使いこなし征服しようとします。
​著者はおそらくそういった意味で「対立」と表現しているのだと思います。


遊びとルールの対立の極端な例が「変化をもたらす遊び」です。

「遊びは、当の遊びが行われている固定した構造からはみ出し、ひっくりかえすことがあり、そこから新しく、予測できない結果が生み出される。」(P15)

​変化をもたらす遊びとはすなわち、遊びが外部の何らかの事物を変化させるということでしょう

『くだけた俗語が熟語になり、ついには辞書に載り、もとはといえば〔そうした俗語が〕抵抗していた当の相手である、より大きな文化の構造の一部となってしまうことだってあるかもしれない。遊びが具えているこうした重要なあり方を、「変化をもたらす遊び」と呼ぶことにしよう。』(P15)

​これは戯れが固定された構造を変化させる例です。
ゲームの場合は、対戦型ゲームの定期的なルール修正などのように、遊ばれることによってルールが変更されていく場合があります。


​「例えば、プレイヤーの考える能力は、長い時間をかけて『チェス』を遊んだ結果、変化するかもしない。」(P16)

また、変化させる対象として思考能力などもあげられていますが、本章のまとめには「変化をもたらす遊びは(中略)固定した構造をさまざまな仕方で変化させる」(P31)とあります。
​固定した構造とはゲームの場合ルールだけを指すのかと思いましたが、どうにもそうではないようです。
(ゲームの場合、)ルールをはじめ、遊ばれる環境や状況などのその他の要素も変化の対象として含んでいるようです。
※「変化をもたらす遊び」は26章で再び取り上げられますが、遊びやゲームは虚構だが現実(日常)に少なからず影響を与えるという意味で使われていることがわかります。

「遊びというものは、それを成り立たせる構造と、それに対立するものとの両方があるからこそ成り立つのである。」(P19)

​本章で最低限おさえておくべきはこの一文です。
: ゲーム研究 : 04:04 : comments(0) :
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